変化は
1ドル100円を突破。輸出企業にとって大変な状況となってきました。
ただ、この資源高の状況にとっての大幅な円安も想像したくはありません。
そしてこの大幅な円高局面で、何も手を打たないこともあり得ません。
日本にとっては円高は売り手にとって不利で、買い手にとって有利。
米国にとってのドル安は売り手にとって有利で、買い手にとって不利。
日本は円高で大変だ、と騒いで終わりなのではなく、バイイングパワーがついたと考え、資源獲得に向けた国家戦略を立てる絶好の機会です。先日、国家ファンドが話題となっていました。ファンドはなにも株式や債券を買うのみがファンドなのではなく、権益を確保する、そのための地ならしに設備投資を行うことも国家ファンドの役割だと考えます。
米国は今回のドル安により、景気浮揚の材料をまた一つ手に入れようとしています。米国の輸出企業の業績回復、あと1パーセントは下げるであろう金利政策による借り換え効果の発生。
日米金利差が為替の決定要因に大きなウェートを占めるなか、現在の米ドルに対しての円高はある程度説明がつきます。
そして、数年後を想定してみると、景気回復をし、金利上昇局面に入った米国と、景気と国家の負債の面から金利を上げれない日本という両国の姿が見えてきそうです。
人口増加の米国、減少の日本、景況感の差、金利差
再び円安局面となる可能性があります。
私は円安、円高を言い当てたいわけではなく、将来円安になった時に、なぜあのバイイングパワーがあった時に、かつ、世界2位の個人金融資産があった時に手を打たなかったのか、という後悔はしたくないとの思いです。
2割下落した米国企業を2割上昇した円で買うという考え方、あの時高い資源の権益を買ってしまったが円はその時と比べ3割下がったからヨシとする考え方。
当然、現在の経済状況でのこれ以上の円高は看過できません。為替介入も必要となってくるでしょう。であればなおさら、今の局面をチャンスと捉えた国家戦略が必要なのではないでしょうか。