石川県立中島高等学校

「一つだけぇ覚えて欲しいことがあります!
私たちはぁっここにいたぁ!!」

中島高校普通演劇科コースの卒業公演で劇の終了後、最後にあいさつした学生さんの言葉です。
中島高校は今年で47年の歴史を終えます。

1時間40分にも渡るミュージカル「MoMo」
周りを明るくする自由奔放な少女が「時間貯蓄銀行」によってゆとりを奪われていく村の人たちを救うという物語です。瞬く間に時間が過ぎていきました。

最初は卒業記念の「学生」の演劇として私も観ていたのですが、いつのまにか演劇に引き込まれていき、彼ら彼女らを一人の劇中の「人物」として、そして劇が終わった時には一人の「役者」として受け入れていました。

ラストの場面。時間貯蓄銀行から解放された村人たちが中島演劇堂の舞台奥の扉が開き(舞台奥は演劇堂の外、能登の素晴らしい大自然です。)、まさしく解放された空間から出てくるところは本当に感動しました。

そして、中島高校の歴史が終わります。
物語のラストが近いだろうというところからは、その思いも重なってまた涙です。

高校統廃合が進められる中で、大切な能登の思い出、資源が奪われていきます。
残念で悔しくてなりません。

そして唖然としたのが、役者さん達に最後に花束を渡したのが、統廃合を進めていた石川県の教育長だったことです。
どういう神経をしているのか理解しかねます。人事担当役員がクビにした社員に「おめでとう!」と言って花束を渡すようなものです。常識と良識を疑います。その時だけ当然拍手は半分になっていました。 当然です。

珠洲実業、輪島実業も今年で終わりです。
切磋琢磨とはどういうことなのか。この言葉で能登半島の高校が現在進行形でどんどん無くなっていっています。ほとんどの役者が一人二役を演じる姿を見て、また、その完成度の高さを見て、教育長には「人数が多ければさえ良いということではない」ということを認識して欲しいと思うし、それも感じないのであればそこまでだということです。

「一つだけぇ覚えて欲しいことがあります!
私たちはぁっここにいたぁ!!」

ふと現実に戻り、普通の高校生が出す言葉に、
「子供にこんな切ない言葉を言わせちゃいけない」、
そう思いながら、会場を後にしました。

「時間貯蓄銀行」
劇中では悪い存在でしたが、今の私にとっては羨ましい。
今日も朝の6時には金沢で勉強会。内灘、穴水、そして中島(七尾市)で演劇を見て、志賀町、再度七尾市。実は今はもう日付が変わっている。
時間が欲しい・・・

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